帯状疱疹予防ワクチンについて
帯状疱疹について
ほとんどの帯状疱疹は、小児期に感染する水ぼうそうのウイルス(水痘帯状疱疹ウイルス)が原因で起こります。一度水ぼうそうが治っても、ウイルスは体内(神経節)に潜伏している状態です。そして、過労、ストレス、加齢などによって免疫力が低下すると、帯状疱疹を発症してしまうのです。
日本人の成人の90%以上に潜在的なリスクがあり、80歳までに約3人に1人が発症するといったデータもあります。(※1)(※2)
帯状疱疹は激しい痛みや発疹が特徴です。神経にまで損傷が及ぶと、皮膚のトラブルが改善した後も痛みが続くことになります。特に免疫力が低下する病気(糖尿病やがんなど)が引き金になることもありますので、気になった方は早めに帯状疱疹の予防接種を受けましょう。
- ※1 国立感染症研究所: 病原微生物検出情報(IASR)「. 水痘抗体保有状況」
[https://www.niid.go.jp/niid/ja/y-graphs/9666-varicella-yosoku-serum2019.html, 2021年10月13日確認] - ※2 Shiraki K. et al.: Open Forum Infect Dis. 4(1), ofx007, 2017
帯状疱疹予防接種について
予防接種について
当院では、帯状疱疹を予防するための不活化ワクチンとして「シングリックスⓇ」を使用しています。シングリックスⓇは2回接種が必須です。基本的には2回目の接種は初回接種から2か月後となります。何らかの理由により、2ヶ月後のご来院が難しい場合でも6ヶ月以内の接種が必要です。対象としては50歳以上からとなります。
予防効果は50歳以上で97%
帯状疱疹予防接種に関しては、50歳以上で97%、70歳以上で90%の予防効果が報告されています。
また、仮に帯状疱疹に罹患した場合でも、神経痛の発症を減らす効果が期待できます。
50歳以上での有効性※2: 97.2%(50~59歳: 96.6%、60~69歳: 97.4%、70歳以上: 97.9%)※1
70歳以上での有効性※2: 89.8%(70~79歳: 90.0%、80歳以上: 89.1%)※2
- 参考文献:
※1Lal H. et al.: N Engl J Med. 372(22), 2087-2096, 2015
※2Cunningham AL. et al.: N Engl J Med. 375(11), 1019-1032, 2016
料金
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1回25,850円
- ※ 接種料金には診察料等の料金も含みます。
- ※ 2ヵ月あけて2回の接種が必要となります。
注意事項
以下の方は接種が受けられません
- 明らかな発熱(通常37.5℃以上)の方
- 重篤な急性疾患にかかっている方
- 本剤の成分によってアナフィラキシーを呈したことがある方
以下の方は接種前にご相談ください
- 心臓血管系疾患、腎臓疾患、肝臓疾患、血液疾患等の基礎疾患がある方
- 過去の予防接種で接種後2日以内に発熱があった方及び全身性発疹等のアレルギーを疑う症状があった方
- 過去に痙攣の既往のある方
- 過去に免疫不全の診断がなされている方及び先天性免疫不全症が近親者にいる方
- 血小板減少症や凝固障害のある方、抗凝固療法を施行している方